月山富田城跡

当園から車で約25分

月山富田城は出雲國守護職の居城として1185年頃に築城されたと見られていますが、最もよく知られるのは、1396年に山陰の覇者として名を馳せた尼子氏が本拠を構えた城であるということでしょう。

尼子経久によって、天然の地形を利用した数多の工夫が施されたことで、日本史上最も難攻不落の要塞城であり、「天空の城」と呼ばれるものになりました。

以来170年間にわたって尼子氏が支配を続けましたが、度々城を巡った攻防戦が行われ、最終的に尼子氏は毛利氏の手により滅亡。以後、月山富田城は毛利氏、吉川氏の山陰地方支配において重要な役割を果たしました。

1600(慶長5)年、関ヶ原の戦いのあとに松江藩主となった堀尾氏が城主となりますが、1611(慶長16)年に堀尾忠晴が松江城へ移ると同時に廃城され、現在は城跡として残るのみとなっています。

艱難辛苦に耐える悲運の武将であり、主家への忠義を貫いた山中鹿介の銅像や供養塔、さらには随所に残っている石垣、石畳の古道は、かつての景色の想像がかき立てられると、多くの観光客が訪れる人気の場所となっています。

日本五大山城のひとつに数えられることもあり、1934(昭和9)年に国の史跡に指定され、2006(平成18)年には「日本名城100選」にも選ばれました。